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広範な国民連合・京都
情勢と広範な国民連合の当面の大まかな行動方針

2007.12 


【1】情勢の特徴

 一.国際情勢の特徴

 イラク侵略戦争は、中東の石油を押さえることにより米国の世界支配を維持しようとしたものであったが、イラクをはじめとする全世界の反米闘争によって内外の困難を増大させ、米国の衰退を速めました。米国は朝鮮政策の転換を余儀なくされ、世界に衰退ぶりをさらしています。さらに、中国、ロシア、インドなどの台頭による世界の多極化がすすんでいます。2回目の南北首脳会談を通じて、大国の支配を許さない自主的な統一に向けた動きが進んでいます。サブプライムローン問題に端を発した金融危機は、米国の実体経済にも波及しており、日本経済にもその影響がではじめています。世界資本主義経済は一段と不安定になっています。

 そうした中、世界の主要先進国でひとり日本だけが対米従属をつづけ、安倍政権は米国が迫るテロ特措法延長をはたせず崩壊しました。

 二.国内情勢

(1)安倍政権の崩壊と福田政権
 安倍政権は基本的に小泉政治の継続でした。第一に、対米従属のもとで軍事力を強化し、海外派兵できる体制を整備し、力を背景に国際政治での発言力を強めること、第二に、多国籍大企業の負担となる国内コストの削減、つまり財政再建と小さな政府を実現する「改革」政治を推進・加速することです。小泉政治との違いもあります。第一に、小泉政権の5年間に米国の衰退が進み、米国の困難は内外で増大した。第二に、小泉の「改革」政治によって貧富の格差、地方の疲弊が進み、「痛み」が現実となりました。

  小泉政権と安倍政権の「改革政治」によって、労働者、農家、中小零細企業など国民各層の営業や生活は「痛み」に変わりました。地方は疲弊し、社会保障制度「改革」が患者・高齢者・障害者を苦しめました。他方で、多国籍企業は空前の利益をあげ、富める者はますます豊かになりました。安倍政権はさらに、「戦後体制からの脱却」をかかげて、対米従属のもとでの政治軍事大国化に踏み込みました。憲法改悪をめざした教育基本法改悪法案と国民投票法案を強行採決しました。朝鮮を敵視し「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」とする外交方針は、六者協議で日本の孤立を招きました。国民各層の「痛み」は「怒り」に変わり、7月の参議院選挙で自民党は惨敗しました。安倍首相は続投を宣言したものの、米国にテロ特措法延長を迫られて行きづまり、政権を投げ出しました。

 代わって登場した福田政権は、対米従属、多国籍大企業優先を基本とする点で、小泉、安倍政権と変わりません。違いは、対米関係の修復を迫られ、国民の厳しい批判と衆参ねじれという状況のもとで、対米従属・多国籍大企業優先の政治を継続しなければならない。「アジア外交重視」と言いながら対米追随は変わらず、「テロ特措法」、対朝鮮政策の調整、米軍再編、思いやり予算など困難を抱えている。内政では、高齢者医療費負担増の先送りや小規模農家切りすてと批判された農業政策の見直しや地域振興を口にしている。しかし、総選挙を意識した一時的なもので、実際は消費税増税など国民犠牲の政治に変わりはありません。


(2)小沢・民主党
 参院第一党となった民主・小沢代表は、二大政党制をめざして政権交代を最優先し、当面は福田内閣と対決している姿勢を見せていますが、「大連立構想」「政界再編成」の動きも見えてきました。しかし、二大政党制は財界の要求です。いくらかの違いはあっても、どちらも日米基軸であり、対米追随で一握りの多国籍大企業のための「改革政治」と政治軍事大国化に変わりはないのではないでしょうか。

(3)国民各層の怒り、展望
 対米従属の安保・外交政策や「改革」政治に対する国民の不満と怒りが高まり、いわゆる革新層にとどまらず保守層の一部も含む闘いが広がりました。

 米軍再編の要となる新基地建設は、沖縄県民の闘いでいまだに事前の環境影響評価の調査にも着手できず、座間市、岩国市、鹿屋市では、米軍再編推進特措法の成立にもかかわらず、保守系市長や労働組合が住民と共に、米軍司令部や米軍機の移駐に反対して一歩も譲らず闘っています。

 労働組合にも変化の兆しが見えます。全国港湾労組は規制緩和問題を実力で打開しようと、全国統一ストで闘った。全日建運輸連帯労組関西生コン支部はたびかさなる政治弾圧をはねかえし、中小企業を団結させ、ゼネコン・セメントの大資本と闘っています。パート、派遣、請負労働者の中で、組合を組織して闘う動きも進んでいる。全建総連は消費税増税に反対する大規模な集会を開いた。中小共闘やパート共闘、内需産業中心の有志共闘など、連合の内部でも変化が見られる。3月、7月とあいついで、「反貧困ネットワーク準備会」が、政治の変革を求める反貧困の集会を開き、連合などの労働団体がこれを支援しました。

 農民は全国各地で、日豪EPAによる農産物の関税撤廃、市場開放に反対して闘っています。北海道では十数カ所で1万数千人、沖縄では1万人の県民大会を開き、労働組合、経済団体、消費者団体もこれに連帯を表明した。また大規模化の政策に反対して闘っています。この闘いは、多国籍大企業の利益のために食料を他国に依存するのかどうか、国民の食料・国の進路にかかわる闘いです。

 さらに、沖縄戦における集団自決への軍の関与を否定した文科省の教科書検定に、沖縄県民の怒りが爆発した。県議会をはじめ、連合、農協、漁協、中小企業団体、医師会、PTA、遺族会、婦人会、青年団など、県内の広範な各種団体で構成する実行委員会が9月29日、11万6千人の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」を開き、事実上の検定撤回へ、政府を追い込んだ。

 拉致問題優先の強硬な朝鮮敵視政策で凍りついたような状況を打ち破って、日朝国交正常化を求める闘いも始まった。自民党内からも、山崎拓氏や加藤紘一氏のように安倍政権のアジア外交、朝鮮政策を批判する声があがりました。公明党の江口区議は、全国地方議員交流会で日朝国交正常化を積極的に訴えた。

 どうすれば、政治を変えられるでしょうか。どの政党にも、対米従属からの脱却、アジアの共生へ、国の進路の転換を求める政治家がいます。財界の中にさえ、そういう人びとがいます。さまざまな職業や立場の違いを超えて、国民大多数の暮らしや安全が国の進路にかかっているからです。国の進路でこそ、広く国民を結集することができるし、今日の情勢はその条件が広がっていることを示しています。対米従属からの脱却、アジアの共生へ、政党の違いを超え、国民各層を広範に結集する国民運動の発展、それを可能にする広範な国民各層の連合、広範な戦線の形成こそ、展望を開くものと言えます。

 

【2】当面のおおまかな行動方針

 一.広範な国民連合の考え方を広め、各層の連携を促進する

(1)広範な国民連合の考え方を広める
 広範な国民連合は、1993年の結成総会で「広範な国民連合がめざす日本の進路」と「広範な国民連合憲章」を採択した。「めざす進路」はその第一項で「日本は政治的にも軍事的にも経済的にも決して覇権を求めず、いかなる国の覇権も認めず、すべての国とりわけ近隣のアジアの国々や民衆との平和・友好・協力の関係を発展させる。日本は冷戦の終えんですでにその論拠を失った日米安保条約を清算し、対米追随の日米基軸をあらためる。私たちは国際社会において、このように自主的な日本の進路をめざす」となっています。

 「憲章」は、「労働者・農林漁民・中小商工業者・市民など広範な国民各層の連合した力」によって、「めざす進路路」を実現すると、闘い方を示している。14年たった今日でも、その正しさは基本的に変わっていない。政治を変えるの広範な戦線を形成するため、今日の具体的な情勢と結びつけて、「めざす進路」と「憲章」に示された国民連合の考えを広める。

(2)府民各層の連携・連合を促進する
(a)京都の特徴
 京都府の人口は、約260万人。南北に長く、うち政令指定都市の京都市に約150万人が集中する。次いで南部の山城・乙訓地区、南丹地区(亀岡市、南丹市)、中丹地区(綾部市、福知山市、舞鶴市)、丹後地区(宮津市、京丹後市)。京都市・山城地区と北部の南北格差が大きい。京都市や山城・乙訓地区は、観光業や製造業。南丹や中丹は農業や林業。丹後は漁業・水運業など。また京都市を中心に、学生は18・1万人(大学生15・6万人、短大生0・9万人、大学院生1・6万人)は全国5位であるが、人口当たりでは全国一である。さらに、仏教界の影響力が強いのも特徴である。在日や部落問題も重要な課題です。

(b)各層の状況と課題
 ・労働者ーー製造業労働者は33万人で南部に集中。300人以上の事業所の従業員は4・2万人、それ以外は中小企業。未組織労働者が多く、非正規雇用も増加している。サービス、運輸、公務員など。労組の組織率は全国と同様に低い。連合をはじめJAM、自治労、教組、私鉄など労働組合との関係は重要。

 ・農業と農民ーー中山間地が多く、小規模農家が多い。農産物では野菜、コメ、お茶など。農民数は4・3万人と多くないが、農協を中心に府政への影響は大きい。食料問題は国民・府民全体として重要であり、農民の要求を支持し、労農提携など連携を強める必要がある。

 ・中小商工業者ーー中小零細企業には好況感はなく、倒産など深刻。中小商業関係も大型店の進出などで衰退が激しい。たとえば京都市内の100をこえる商店街のうち、出町柳、嵐山、伏見大手筋、など以外は商店街の衰退。関連の団体(工業関係では商工会議所など、商業関係では商店街振興会など)との関係を。

 ・高齢者や社会保障問題ーー年金・医療・介護・生活保護・障害者・住民税や消費税など

 ・在日や被差別部落問題など人権問題ーー在日韓国・朝鮮人を中心に在日外国人は約5万人。在日や被差別部落への差別人権問題は府政にとっても重要な課題。ウトロ問題、朝鮮学校問題も課題です。

・仏教界など宗教団体ーー仏教会は府政に影響が大きい。日朝問題などの連携が必要。

(c)各層の連携を促進する
 国民各層の連携を促進するには意識的な努力が必要です。労働者、農漁民、中小商工業者、市民など広範な国民各層の諸団体、リーダー、活動家、政治家、知識人との信頼関係をつくり、相互の連携を促進する。そのためには労働者、農漁民、中小商工業者など府民各層の状況や要求に関心を寄せ、農業団体、中小商工団体など諸階層・諸団体の要求を支持し、次第に連携を深める必要があります。そして共同行動を積み重ねながら、一歩一歩と広範な戦線を発展させることです。

 たとえば、89年の参院選は、「コメ、消費税、リクルート」の3点セットで社会党が大勝し、当時の土井党首は「山が動いた」と発言しました。だが、農家や中小零細業者の切実な思いに関心を寄せず、細川政権のとき、コメ自由化などを受け入れたため、彼らの失望を買い、その後、急速に凋落した。学ぶべきは、何よりも農民や中小零細業者の要求や闘いを断固として支持・激励し、彼らと連携して闘うことが政治を変えることにつながるということです。とりわけ、労働者・労働組合がそれを求められている。

 二.国民各層の共同行動を組織してたたかう課題

 国民・府民各層の連携を促進することを考慮してたたかう

(a)対米追随・軍事大国化に反対し、アジアの共生を
・日朝国交正常化を求める幅広い運動を
・日米軍事一体化をめざす米軍再編反対

(b)国民各層の営業と生活を破壊する「改革政治」反対
・日豪EPA反対、食料自給率の向上を
・医療、介護、年金、障害者、生活保護など社会保障切りすてに反対

(c)府民の課題
・地方財政問題、地方交付金削減問題
・道州制問題、市町村合併問題
・京都市長選

 三.広範な国民連合・京都の組織を強化する

 都道府県の組織である広範な国民連合・京都は、府民各層が連携し、府政に影響を与え、府民重視の府政を実現することが組織的な目標です。

 今日の結成はその重要な第一歩です。府政に影響を与えられるようになるには、各界各層、諸団体のリーダー、活動家、政治家、知識人、学生などで構成する組織へと強化しなければなりません。一つ一つの取り組みを通じて、組織も強化しなければなりません。

 また、事務局体制、賛同人と相互の連絡体制をととのえ、定期的な会議の開催など賛同人の力が発揮できるような原則的な運営も重要です。たとえば、世話人会議を定例化し、その会議の前後に賛同人を対象にした学習会(各界各層の人を招いて話してもらう)ができれば、賛同人の国民連合への意識も高まり、各層・各団体と国民連合の関係を深めることにもなる。また、各県がやっている賛同への「ニュース」「メールニュース」の発行でもインターネットを活用すべきです。

<自主・平和・民主のための広範な国民連合・京都 連絡先>
605-0846 京都市東山区五条橋東2-18-1五建ビル3F 京都総合研究所内
メール:kokuminrengo.kyoto [a] gmail.com
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